なぜ今、UAV橋梁点検なのか

日本全国で高度経済成長期に整備された橋梁の多くが、今まさに老朽化のピークを迎えています。インフラの安全性を確保し続けるためには、定期的な点検と状態把握が不可欠ですが、人手不足や予算の制約により、従来の点検方法では維持管理に限界が見え始めています。

こうした課題に対する解決策として注目されているのが、UAV(無人航空機)を用いた橋梁点検です。ドローンによる点検は、従来必要だった仮設足場や高所作業車を用いず、橋梁の下部や高所といった危険箇所にも、安全かつ効率的にアクセスできます。結果として、作業員の安全確保と同時に、作業コストの削減、点検期間の短縮という大きなメリットが生まれます。

さらに、UAV点検では高精細な映像・画像を用いて、ひび割れ・錆・コンクリート剥離などの劣化状況を記録・分析可能です。点検結果はデジタルデータとして蓄積され、前回との比較や経年劣化の傾向把握にも役立ちます。これにより、単なる現状把握にとどまらず、将来を見据えた保全計画や補修工事の優先順位付けにもつながります。

私たちは、こうしたUAV技術を現場に適用するため、飛行ノウハウと解析技術を磨き続け、自治体・民間問わず多数の橋梁点検に携わってきました。インフラの寿命を延ばし、安全で持続可能な地域社会の実現に寄与することが、私たちの使命です。今後も、より多くの現場でこの技術を活用し、全国のインフラ維持管理に貢献してまいります。

足場設置不要で低コストかつ短期間で完了

高精度画像で微細な損傷も検出可能

交通規制を最小限に抑える安全設計

レーザースキャナーや3D点群による多角的な診断

データの蓄積による経年劣化の比較分析

地方自治体におけるインフラ維持管理計画の合理化

現地調査の段階から、UAVによる自動飛行計画を立案し、効率的かつ安全な飛行を実施。対象橋梁の構造や周辺状況に応じて、斜め撮影・真下撮影・レーザー測量などを組み合わせて最適なデータを取得します。その後、AIによる画像解析と技術者による目視診断を合わせ、橋梁の状態を正確に評価。報告書は3D図や損傷位置の可視化付きで、発注者にも分かりやすくご提供します。

点検の流れ

初回相談・ヒアリング

お客様の課題や点検対象の橋梁についてヒアリングを行い、ご要望・スケジュール・ご予算の目安などを確認します。自治体・企業問わず、専門用語を使わず丁寧にご説明します。

STEP
1

現地下見・事前調査

橋梁の構造・位置・周辺環境(河川、交通量、電線等)を現地で確認。飛行の可否、必要な許可申請の有無を判断します。点検内容に応じて複数箇所を同時に調査することも可能です。

STEP
2

機材の選定・飛行計画の作成

対象橋梁に応じて、最適なUAV(機体)・カメラ・センサーを選定。高倍率ズーム、斜め撮影、赤外線カメラなど必要に応じて装備を調整します。気象条件やGPS環境を踏まえ、安全かつ効率的な飛行計画を立案します。

STEP
3

見積書・スケジュールのご提出

作業内容・日程・成果物・費用を明確にしたお見積書を提示します。自治体様向けの入札・指名競争案件にも対応しています。必要に応じて計画書や工程表の提出も可能です。

STEP
4

UAVによる撮影実施

国土交通省の飛行許可に基づき、安全管理体制のもとで点検を実施。構造物の全体像から微細な損傷までを高精細に撮影します。道路管理者との調整や立入許可なども当会でサポートします。

STEP
5

データ解析・3D化処理

国土交通省の飛行許可に基づき、安全管理体制のもとで点検を実施。構造物の全体像から微細な損傷までを高精細に撮影します。道路管理者との調整や立入許可なども当会でサポートします。

STEP
6

点検報告書の作成・納品

画像付きの報告書、点群データ、損傷マップなどを納品形式に応じて作成。自治体の維持管理台帳や発注資料としてそのまま活用できる品質でご提供します。

STEP
7

継続保守・次回点検への対応

ご希望に応じて、経年比較・定期点検・予防保全計画のご提案も行います。会員企業との連携により、橋梁補修や診断の支援も可能です。

STEP
8

当研究会の会員企業では、栃木県内を中心に、20件以上の橋梁に対するUAV(ドローン)点検を実施してきました。生活道路や幹線道路上の橋梁から、アーチ橋や連続橋などの高所構造物まで、従来困難だった部位への点検も、安全かつ効率的に対応しています。

橋脚や橋台などの下部工についても、近接撮影によりひび割れや浮きの状況を詳細に記録し、損傷評価を行っています。撮影した画像は3D点群データやオルソ画像に変換し、視覚的にわかりやすい報告書として提供。自治体の維持管理計画や補修計画策定に活用されています。

また、災害発生時には、塩谷町などと連携し、被災橋梁の緊急健全度確認にも対応。UAVによる迅速な現地確認で、二次災害の防止と早期復旧に貢献しています。

さらに、近隣県の建設・測量業者との協業や、自治体職員向けの研修・講習も行い、UAV点検技術の普及と活用支援にも積極的に取り組んでいます。安全で持続可能なインフラ維持のため、私たちはこれからも多様な地域・団体と連携し、高度なUAV点検サービスを提供してまいります。

お問い合わせ・技術相談はお気軽に

当協会では、他県の建設業者・測量会社・自治体との連携にも積極的に取り組んでいます。UAV点検の内製化が難しい企業様には、外注支援・技術提供・共同受注の体制を整えており、部分的な業務委託から包括的なサポートまで柔軟に対応します。今後、全国的に義務化される維持管理点検のデジタル対応に向けて、地域や規模を問わずご相談をお待ちしております。

「試験的にUAV点検を導入してみたい」「見積だけ相談したい」「自社で使えるよう指導してほしい」など、あらゆるお問い合わせに対応可能です。まずはお気軽にご連絡ください。