なぜ文化財をデジタル化するのか

文化財は、地域の歴史・文化・信仰を映す“かたちある記憶”です。しかし多くの文化財が、風化、災害、盗難、劣化などのリスクにさらされています。建物の老朽化や管理者の高齢化・後継者不在といった社会課題も加わり、このままでは後世に伝えられなくなる文化資産が年々増えています。

こうした課題に対して、近年注目されているのがUAV(ドローン)やレーザースキャナー、フォトグラメトリーによる文化財のデジタル化です。高精度な3Dスキャンにより、文化財の形状や装飾、構造をミリ単位で記録することが可能です。写真や図面と異なり、立体的な構造そのものを保存できるため、後年の復元・修復の際にも大きな力となります。

また、万一火災や地震などで文化財が損壊した場合でも、デジタルデータがあれば復元や研究の出発点になるという意味でも、極めて重要な“リスク対策”になります。

さらに、デジタル化された文化財は、教育・観光・研究・アーカイブといったさまざまな用途に活用可能です。たとえば、VRで仏像や社殿内部を閲覧したり、メタバースに展示したり、研究者や学生が自宅にいながら精密なデータで学ぶこともできます。これは、文化財を「見る人・訪れる人」に限定せず、「共有するもの」として未来に開いていく手段とも言えます。

大切なのは、実物が存在している“今”だからこそ記録できるということ。文化財の3D化は、失われる前に価値を可視化し、継承の選択肢を広げる「文化と技術の橋渡し」です。UAVの力を活用し、私たちは次の世代へとその尊さを届けていきます。

災害前後の比較・復元計画への活用

研究・教育・観光・展示用データの生成

保存状態の定量的把握と記録保全

継承者不在地域での“形ある記憶”の保存

未公開文化財のデジタル公開の推進

VR・メタバースへの展開による次世代活用

など移動が困難な大型建築から、数十cmの仏像まで対応可能です。

当協会では、栃木県真岡市に鎮座する大前神社本殿の3Dスキャンを実施しました。精緻な彫刻と複雑な屋根構造を詳細に記録し、文化庁・真岡市と連携して保存データを納品。災害リスク対策に加え、学術的価値の高いアーカイブ構築を実現しました。

文化財を所有する神社仏閣・自治体・教育機関・博物館の皆様へ

当協会は、技術者・調査士・測量士がチームで現地を調査し、安全・正確に文化財の3D記録を行います。
ご予算や希望納品形態に応じて、企画段階から支援可能です。お気軽にご相談ください。
➡️ [お問い合わせフォーム] または info@uaviit.com